Bluevision Inc.

Blog

ブラジルのERP(基幹システム)市場の状況/ Current ERP Market in Brazil

ブラジルはご存知のように南米一の大国、世界でもGDP第9位、人口2億人強の大きな市場です。もちろん日系企業も多数進出しており、ブラジルのERP(基幹システム)についてのパッケージ状況や導入案件等の問い合わせも受けることが多くなってきました。

今回はブラジルのERP(基幹システム)市場の状況や使用されているERP(基幹システム)パッケージについてお話します。

ブラジルのERP(基幹システム)市場

少し古い情報2012年の情報ですが、 ブラジルでもっともシェアを持っている国内パッケージ(TOTVS)とグローバル対応しているSAPやOracleのERPパッケージが中小企業で約8割のシェア、大企業規模で9割強のシェアを持っています。

この理由はブラジルの国内制度で国際的に見ても世界で一番税制が複雑だという背景を抱えており、頻繁に税務制度が変更されるので国内の税務対応を迅速に行えるTOTVSとグローバル対応しているSAPやOracleが大きなシェアを占めています。但し、SAPやOracleのERPアプリケーションは、複雑な税務に対応するためにブラジル仕様のアドオンモジュールを使うことが前提になっています。他の国とは異なるブラジル仕様機能、オペレーションになりますので、日本からのグローバル標準テンプレートの展開については事前調査と導入時の注意が必要です。

またこれらの財務パッケージに加えて、基本的にブラジル専用の税務対応パッケージとの組み合わせが必須になりますので、どのERPパッケージを選択するか、どのERPパッケージでブラジル展開を行うかによって税務対応パッケージを選択する必要があります。

ブラジルのERP(基幹システム)パッケージ

TOTVS

TOTVSはブラジル発の世界第6位のソフトウェア、サービスベンダーでラテンアメリカでも35%のシェアがあります。ブラジルローカル、その他南米の国の機能も充実しています。ホームページより入手した下記図によれば、ERPを中心にメールシステムやHR、CRMをカバーしており、Cloudバージョンも徐々に増えてきています。

http://www.totvs.com

Oracle EBS

以前ブラジルへのOracle EBSの導入で事前にバージョンについて確認しましたが、R11iではなく、ブラジルへの導入はR12以降のバージョンが必須です。Oracle EBSはブラジル専用モジュールとしてIntegrated Receiving(RI)がOracle Brazilで開発され、提供されています。基本的には、Financial、SCMモジュールを導入する場合は、このRIモジュールが必須になります。このRIモジュールは、Nota Fiscal(電子インボイス)の業務オペレーションに関わる製品・サービスの購買や受入処理は全てこのRIで入力され、Purchasing(PO)モジュール、Inventory(INV)モジュール、Payable(AP)モジュールとデータ連携され、仕入先への買掛管理、支払処理まで行われます。また基本的には、下記MastersafやSynchro、Complianceのブラジルの税務対応パッケージが必要となります。

SAP

SAPのFI(財務会計)の各サブモジュールにブラジルローカル機能は含まれています。例えばAR(債権管理)、AP(債務管理)にブラジルの銀行との入金/支払統合機能が含まれています。Nota Fiscal(電子インボイス)の業務オペレーションスにおいてはMM(在庫管理)とSD(販売管理)で対応しており、SEFAZ(ブラジル政府認証システム)との連携はGRCモジュールで行います。またOracle EBSと同様、MastersafやSynchro、SAP TDF(Tax Declaration Framework)のブラジルの税務対応パッケージが必要となります。

ブラジルの税務対応パッケージ

ブラジルでERP(基幹システム)パッケージを導入する場合は、ブラジル専用の税務対応パッケージとして、Mastersaf(オンプレミス)、Synchro(オンプレミス)、Compliance(クラウド)と日々の取引データ、財務/税務データを連携する必要があります。

ERP+ブラジル専用税務対応パッケージの導入が一般的ですが、財務・管理会計のみERPパッケージを導入し、税務対応は全て外部にアウトソースしている会社もあります。

Mastersaf

2011年にトムソンロイター社がブラジルのMastersafを買収しています。Synchro社と同様OracleやSAPと戦略パートナーを有し、ERPパッケージに連携する財務、税務管理ソリューションを提供しています。

https://www.thomsonreuters.com.br/pt/tax-accounting/onesource-mastersaf.html

Syncro

ブラジルでの電子納税含む税務(申告)等の手続きの帳簿・帳票作成、申告手続きをサポートするソフトウエア・ソリューションを提供する会社です。ERPパッケージのOracle, SAPとも連携しており、事例も多数あります。

http://www.synchro.com.br/

Compliance

クラウドベースのブラジル専用税務パッケージでOracle, SAP, Microsoft Dynamics、TOTVSと連携し、財務、税務管理ソリューションを提供しています。我々がブラジルでのOracle EBSを導入した際は、このクラウドベースのComplianceとの組み合わせで導入しました。

http://compliancefiscal.com.br/en/home-en/

まとめ

日本企業のブラジル子会社導入は、①システム展開しているERP(基幹システム)パッケージとブラジル税務対応パッケージの組み合わせ、②システム展開しているERP(基幹システム)パッケージと税務対応のアウトソースサービスを利用する、またはブラジル、南米用に③TOTVSの3つの選択肢になると思います。

ERP(基幹システム)パッケージの選定は、全社のIT戦略、ブラジル国内状況を見据えて十分に検討して下さい。

特に日本人にとってブラジルの税務は複雑で理解できない部分もあり、パッケージの選定や導入に関してはブラジルの業務が分かるコンサルティング会社、システム会社を利用することをお勧めします。