アメリカのITプロジェクト

今月のBluevision Mailでプロジェクトの現場よりでアメリカでのコンサルタントの働き方についてお話しましたが、付け加えて役割分担が明確であることと判断が早いということについてもう少し詳しく話したいと思います。

コンサルタントは全米から全員集合

プロジェクトにアサインされるメンバーは、プロジェクトに必要なスキルセットによって全米から全員集められます。クライアントからRFP(Request for Proposal)が提出され、提案書を作成する際に社内でプロジェクトメンバーを公募し、スキルセットにあったメンバーを集めることになります。

日本もよく大阪のコンサルタントが東京のプロジェクトに平日出張したり、東京から地方へのプロジェクトに参加することもよくあるように、全米から全員プロジェクトメンバーが集められることになります。

私もアメリカに来てすぐにアサインされたプロジェクトはニューヨークの自宅から車で30分くらいのクライアント先でしたので、毎日車で通勤していましたが、その当時のプロジェクトメンバーもボストン、コロラド、ダラスなど毎週月曜日午前中にニューヨークに出張し、木曜日の夜には自分たちの自宅に帰るという生活スタイルでした。

私もニューヨークのプロジェクトが終わった後は、しばらくカリフォルニアのプロジェクトに参加していましたが、その時は毎週のフライト(5~6時間)と時差(3時間)が結構大変でした。
例えば、月曜日の朝6時のフライトで出発すると、6時間半のフライトで-3時間の時差なので、カリフォルニア到着が9時半することになります。現地プロジェクトメンバーより早く到着することもありました。帰りは15時のフライトでカリフォルニアを出発すると5時間半のフライトと+3時間の時差なので、ニューヨークに着くときは23時半になります。
  • ニューヨークからカリフォルニアへのフライト 6時間半(フライト)-3時間(時差)=現地出発から3時間半後に到着
  • カリフォルニアからニューヨークへのフライト 5時間半(フライト)+3時間(時差)=現地出発から8時間半後に到着
 カリフォルニアの人がニューヨークのプロジェクトに参加する場合はこの逆の思いをすることになります。

実際はなかなかすんでいる家の近所のプロジェクトはないのが実情で、基本出張ベースの仕事になるので、体調管理に気をつけないといけないですし、平日会えないので家族のケアも大変になります。(その代わりマイレージは貯まりますが。。)

役割分担が明確

海外でのプロジェクトチームでは、クライアントとコンサルタント、各コンサルタントの役割が明確になっています。

特にクライアントとはプロジェクトごとにStatement of Work (SOW)で明確にプロジェクトの目的、スケジュール、役割、成果物、条件等が明記されており、基本その文言に沿ってプロジェクトを進めていきます。もちろんプロジェクトの状況によっては、どちらの責任か明確に記載されていない場合もありますので、状況によってはクライアントと確認しながらプロジェクトを進めることになります。

ただクライアント側としては日本のコンサルタントのようにリクエストに応じて柔軟になんでも対応することを期待してはいけないので、要注意です。もしSOWに明記しておらず、コンサルタントとして追加の作業であれば通常はChange Request(変更要求)していきますので、管理する方も現状のSOWと乖離しているかどうかを確認しながら、作業を進める必要があります。

またプロジェクトチームの役割に関してもクライアントと各コンサルタント間でも明確に分かれていますので、基本自分の役割や作業範囲が終わったからといって日本のように他メンバーの作業を手伝うこともあまりありません。(自分の作業が終わったら、帰宅してしまいます)

1つの例ですが、データ移行作業において日本人のクライアントはデータ移行担当者は移行データに関する作業は何でもやってくれると思いがちですが、以下のように明確になっています。
  • 移行データのクレンジング、準備はクライアントの責任
  • データ移行に関わるプログラミング、データ移行の実行処理はコンサルタントの責任
  • データ移行の検証、承認はクライアント(現地担当者)の責任
事前にプロジェクト前、フェーズの開始前には役割や作業分担についてプロジェクトマネージャー、各コンサルタントと1つずつ確認、合意していた方がいいと思います。

判断が早い

海外 プロジェクトでは、クライアント、コンサルタントに関わらず、組織がある程度フラットであり、判断する裁量を持っているので判断が早いです。

クライアントの場合は、現場のDirectorやVPがプロジェクト責任を持っていることが多く、コンサルタント側もプロジェクト管理者、またはその上のプロジェクト責任者(VP/Director)レベルで判断します。
基本的には、プロジェクトのスケジュールや予算、稼動判定などのプロジェクトに大きく関わる判断事項については、プロジェクトの責任者が集まるSteering Committee、その他現場での業務要件は現場のプロジェクト管理者や経理、販売責任者が判断しますので、日本のように判断を仰ぐために何階層もの承認を得る必要はありませんし、それだけ時間がかかることもありません。

もちろん判断が早いと言うことは責任が伴いますので、もし判断を誤った場合は海外プロジェクトでは責任問題になりかねません。ただ、責任がうやむやになるよりも、失敗したらきっちりと責任を取って別担当者に変える等の対応ができる方が迅速にプロジェクト修正ができると考えています。

コンサルタントにはもう一人のインド人コンサルタント

これはアメリカのプロジェクトの大きな特徴ですが、基本アメリカのコンサルタントにはインドにいるインド人コンサルタントがペアでアサインされることが多いです。

インドはご存知の通り、英語が基本母国語(本当はローカル言語もたくさんある)なのでコミュニケーションが問題ないこと、ITリソースが多く、アメリカよりも単価が安いこと、アメリカとの時差が12時間前後なので、時差のメリットを生かして仕事の効率化が図れることが理由です。

アメリカのコンサルタントは、アメリカ現地の朝、または夕方(インドでは逆)にインド人コンサルタントとプロジェクトの作業状況を電話会議でコミュニケーションし、彼らに追加作業を依頼しますので、効率的にいけば、アメリカ現地の朝方には依頼作業が完了していることになります。

私も日本のプロジェクトでインド人コンサルタントとペアで働いたことがありますが、日本人コンサルタントとの英語でのコミュニケーション負荷が高いこと、日本との時差が-4時間なのであまり時差のメリットを使えないこと、日本人との作業クオリティにギャップがあったということで逆に大変だった思いをしました。

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