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Energy Marketing Conference in New York: 電力マーケティングカンファレンスレポート

先週New Yorkのマンハッタンで開催されたEnergy Marketing Conferenceに参加する機会がありました。

このEnergy Marketing Conferenceという会合は、全米の電力小売業者のCクラスの方々や電力小売り関連する管理ソフトウェア、資金を提供する投資銀行、コンサルティングアドバイザなど複数の企業が参加して、電力小売業の現状の課題や将来性についての様々な議論が行われました。9月19日は電力小売業者のカンファレンス、翌日20日は、電力会社関連のカンファレンスと2日間に渡り、熱いディスカッションが行われましたが、私が参加したのは、19日です。

19日は朝の7時半からブレックファーストネットワーキングに始まり、18時からのカクテルパーティーまで全米から集まった参加者で大変賑わっており、アメリカでの電力小売りに関わるビジネスが非常に活況になっているように感じました。

今回のレポートは、1.アメリカの電力自由化の状況、2.参加企業とカンファレンスプログラム、3.電力小売業者専用のITアプリケーションについてご報告します。

アメリカの電力自由化の状況

アメリカでは1990年代に電力卸売市場を活性化させるために電力自由化が進められました。電力小売の自由化は各州ごとによって決められており、現在は15州とワシントンDCで全面自由化が行われています。特にテキサス州は電力の自由化が成功した州として全米の注目を集めており、150以上の小売事業者があり、家庭用、産業用共に過半数以上の需要家が既存の電力会社から乗り換えたと言われています。

下記の図は電力とガスを含めた各州の自由化の状況です。

参加企業とカンファレンスプログラム

今回のNYでのカンファレンスに参加している方は全米に展開している電力小売業者のCEOやCOOなどの経営者、供給する電力会社関係者、エナジーブローカー、資金調達する投資銀行、電力小売の管理ソフトウェアなどの企業が参加していました。

まずキーノートスピーチとしてCrius EnergyのCEOから下記のような現状のアメリカでの小売事業者の課題や重要なポイントについて、自社の状況を元に参加している小売業者へのメッセージがありました。

  1. 価格競争に陥り利益が低減していること
  2. 電力もCommodity化しており、GoogleやTESLAなど他業種からの競合が参入しようとしていること
  3. 売上向上には顧客と接点や契約継続が重要であること

別の電力小売業の経営者やITベンダーでのパネルディスカッションでは、

  1. 他社競合とどう差別化するのか
  2. 顧客が選択できる再生エネルギーの取り込み
  3. ITやクラウドによるイノベーションの促進

について討論され、アメリカでの電力小売業の競争激化が伺えました。

私が一番興味深く聞いたのは、エネルギーコンサルティング会社Skpping StoneのPeter Weigand CEOの”International Expansion Opportunities”(グローバル拡大の可能性)のMini Executive Workshopで、カンファレンスの参加者にアメリカ市場だけでなく海外市場の拡大を目指す重要性や海外市場を検討・決定するポイント、特に日本の電力小売市場が自由化になったことなどが語られました。

アメリカではまだ自由化されていない州があるにも関わらず、どんどん海外進出も視野に拡大している電力小売事業者の状況が分かりました。

電力小売業者専用のITアプリケーション

今回のカンファレンスで気になった電力小売業者専用のITアプリケーションについてご紹介したいと思います。

Znallyics

電力小売業者専用の統合アプリケーションスイートを提供しているITベンダー。EOS(Energy Operations System: 顧客管理と請求管理)、ADM(Advanced Data Management: JEPX/OCCTOとのデータ連携)、EDM(Executive Decision Management: データ分析管理)、CMS(Commodity Management System:供給および決済管理)の各アプリケーションを日本語でも対応しているクラウドベースのアプリケーションサービスとして提供している会社です。

CEOの方ともお話しましたが、すでに各製品の日本語化や日本の規制にも対応し、日本の電力小売マーケットにも進出していました。とても誠実な方で最新のテクノロジーで今後日本市場への事業を拡大していきたいとのことでした。

EC Infosystems

NYが本社の電力小売と電力会社用ソフトウェアの会社です。電力小売業者向けには、請求管理、EDI(Electric Data Interchange)、BPO(Business Process Outsourcing: 業務プロセスのアウトソース)を提供していています。まだ日本には進出していませんが、今後日本語化を含めて、日本市場に進出することに大変興味をお持ちでした。

Salesboard

モバイル用セールスツールを提供しているオランダのアプリケーション会社です。NYのカンファレンスに初めて参加したということで、彼らのブースにて実際のモバイルを使ったアプリケーションを拝見しましたが、営業用セールスツールやオンライン契約書、顧客管理やセールス分析レポートを提供している会社です。ヨーロッパ、アメリカ含め顧客がどんどん増えているらしく、日本の電力小売マーケットにも非常に興味を持っていました。

日本でも去年の春から電力小売業が自由化され、国内でもたくさんの小売業者が参入していますが、アメリカからも参入しようとする電力小売関連業者やITベンダーが多数参加し、今後の日本での電力小売業者にも影響しそうな内容の濃いいカンファレンスでした。