日本企業にとって海外のプロジェクトは様々な海外子会社の課題を解決するための1つの方法です。
例えば、経営のIT基盤として共通のERPを海外子会社に導入したい、買収した海外子会社の既存業務の評価と組織改革を行いたい、グローバル共通の業務プロセスで業務の効率化を図りたいなど。これも一部の業務課題や改善リクエストでしかありませんが、各社それぞれの多くの課題を持っていると思います
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グローバルプロジェクトを立ち上げるための3つの方法
そこで今日はグローバルプロジェクトを立ち上げるための3つの方法についてお話したいと思います。
まず自分が海外子会社の国際管理部門やIT部門のメンバーでグローバルプロジェクトを立ち上げる場合について考えてみましょう。
例えば、海外子会社にグローバル共通の基幹業務システムを展開しなければならないケースでは下記3つの方法があります。
- 自社の業務、ITリソースを使って海外プロジェクトを行う→自社リソースで行うケース
- 日本のSIerやコンサルティング会社を使って海外プロジェクトを行う→外部の日系リソースで行うケース
- 海外のコンサルティング会社を使って海外プロジェクトを行う→外部の外資系リソースで行うケース
上記3つのケースに加えて海外プロジェクトで重要になるポイントは以下です。
- コミュニケーション:海外子会社のメンバーと十分なコミュニケーションが取れ、プロジェクト管理やプロジェクトが遂行できるか
- ナレッジ、経験を持つリソース:英語、又はローカル言語でプロジェクトを管理できるメンバーや海外での業務・IT経験があるメンバーが確保できるか
- 費用:コンティンジェンシー(プロジェクト延期等)含めて十分な予算が確保できているか
自社リソースで行うケース
まずプロジェクトにおいてグローバルプロジェクトを立ち上げるためのリソースやプロジェクト組織を立ち上げる必要がありますが、プロジェクトに参加するリソース(人)が重要になります。大企業の場合は、英語でプロジェクトをマネージできるメンバーやグローバルプロジェクトの経験やスキルを持った自社リソースがいると思いますので、自社でプロジェクトに必要なリソースを確保できます。
もしプロジェクトにとってキーパーソンとなるリソースが確保できた場合でも海外のローカル要件や英語以外のコミュニケーションが必要な場合、現地の追加リソースをどうやって確保するか検討する必要があります。また社内だけでのプロジェクトになりますので、最終的な責任の所在を明確にしておく必要があると思います。
メリット:社内リソースで対応できるため、コストが抑えられる
デメリット:社内でも海外のナレッジ、経験を持つリソースを確保するのが難しい。ローカル要件や英語以外のコミュニケーションが必要な場合、追加リソースを検討する必要がある。日本・海外でのプロジェクト責任の所在を明確にする必要がある。
外部の日系リソースで行うケース
通常日本のシステム会社やコンサルティング会社と取引がある、過去にあった場合、グローバルプロジェクトを立ち上げるリソースもそういった既存の会社にお願いすることが多いと思います。ただ日本で英語ができるプロジェクトマネージャーやコンサルタントは希少価値のため、状況によっては確保することが難しい場合があります。リソースが確保できた場合でも海外のローカル要件や英語以外のコミュニケーションが必要な場合、現地の追加リソースをどうやって確保するか検討する必要がありますので、日本のベンダーとローカルベンダーを役割分担を明確にした上でプロジェクト組織を構成しないといけないでしょう。
メリット:日本語でコミュニケーションができる、グローバルのナレッジ、経験を持つリソースを確保可能、プロジェクト責任の所在が明確
デメリット:プロジェクト費用が掛かる。海外のローカル要件や英語以外のコミュニケーションが必要な場合、追加リソースを検討する必要がある。
備考:地域にもよりますが、日本のベンダーで海外プロジェクト経験がないロケーションもあるので、事前にどの地域が強いかや過去にローカルベンダーと付き合いがあるか、海外プロジェクト事例等を確認しましょう。
外部の外資系リソースで行うケース
外資系コンサルティングファームやインド系システム会社を使ってグローバルプロジェクトを行う場合は比較的バイリンガルのプロジェクトマネージャーやコンサルタントを確保しやすいと思います。グローバルに拠点があるコンサルティングファームでは、海外での経験やナレッジがあるため、海外プロジェクトを立ち上げるのは比較的容易に行えます。但し、その分プロジェクト費用がかかりますが、全てお任せではなく、自分達でもプロジェクトを管理、監視していかなければ急なプロジェクト撤退等のリスクも付きまとうこともあるので注意して下さい。
メリット:英語・日本語でコミュニケーションができる、海外のナレッジ、経験を持つリソースが多い、海外のローカル要件や英語以外のコミュニケーションできるリソースも確保可能。プロジェクト責任の所在が明確。
デメリット:プロジェクト費用が掛かる。プロジェクト撤退リスクを伴う可能性がある。
まとめ
グローバルプロジェクトを立ち上げる方法として3つご紹介しましたが、プロジェクトの規模や海外ロケーション、プロジェクト内容や解決したい課題の難易度等によって自社で行うのか、外部の専門家にお願いした方がいいのかはよくご検討下さい。
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